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UMA海の生物資料検証

リュウグウノツカイは地震の前兆?
出現記録と深海の生態を検証

銀色の長い魚が浜に上がると、「大地震の前触れでは」と話題になる。魚は実在する。では、未来の揺れまで知らせているのか。出現日と場所を集めた研究、魚津水族館の記録、深海の映像と解剖の報告から、確かめられたことを分けて読む。

文 未確認生物研究所 編集部公開 2026年10月15日約12分で読めます出典 9件

この記事の要点

  • 日本の深海魚出現336件を地震記録と比較した研究では、防災に使える関係は支持されなかった。336件はリュウグウノツカイだけの数ではない。
  • 漂着の原因が分からない個体もいる。ただし、原因不明という結果は地震説の証明にはならない。
  • 標本・捕獲記録・深海映像は、生態を調べる資料になる。魚を見た事実と、地震を予知できるという主張を別々に確かめたい。

01長い銀色の魚は実在する。「前兆」は別の問いだ

浜辺に銀色の帯のような魚が横たわり、人が並んでその長さを示している。頭には赤い飾りのようなひれが伸びる。リュウグウノツカイの仲間は、写真を見ただけでも強く記憶に残る魚だ。海の怪物と呼びたくなる姿をしているが、標本を調べられる実在の魚でもある。

オーストラリア博物館は、金属のような銀色の体と赤みのあるひれ、体に沿って長く続く背びれを特徴として挙げる。口は前に大きく突き出せる。細長い体でも、ウナギや海蛇と同じ仲間という意味ではない。見た目の似かよりと、体のつくりを調べた分類は分けて考える必要がある。[1]

a highly protrusible mouth

前に大きく突き出せる口。

ウィーン自然史博物館に展示された長い銀色の魚と赤い背びれ
CC BY 3.0ウィーン自然史博物館の展示標本。画像の資料名はRegalecus glesne。日本のリュウグウノツカイと一括せず、同じ属の近縁種として掲載する。 作者:Sandstein。CC BY 3.0。長辺1200px以下に縮小・JPEG変換。 / Wikimedia Commons

ここで名前をそろえておこう。魚津水族館の報告は、リュウグウノツカイをRegalecus russeliiと記し、同じ属のR. glesneと区別する。英語のoarfishには、こうした仲間をまとめて呼ぶ使い方がある。海外の「巨大なoarfish」の寸法を、そのまま日本のリュウグウノツカイの最大記録に置き換えるのは慎重でありたい。[2]

同館の解説では、区別に使うのは背びれを支える細い骨の数や、えらの内側に並ぶ突起の数などだ。横から撮った一枚の写真だけで、誰でも確実に種を決められるわけではない。古い図や展示標本も、何という名前で記録された資料かを確かめて使う。

資料の分類には差がある。Australian Museumのページには一種とする説明が残る一方、魚津水族館の2024年刊行報告は二種を区別し、Scrippsの2024年の解剖報告も別種と比較している。本稿では各資料の学名を示し、古い説明だけから種類や最大体長を統一しない。

「魚が本物か」と「地震を予告するか」は、必要な証拠が違う。前者は体や標本の問題だ。後者には、出現したあとにどこで、いつ、どの程度の地震が起きたかという記録が要る。この二つを分けるところから、前兆説の検証が始まる。

02海蛇の姿と、災害の物語をどう区別するか

リュウグウノツカイの仲間が海蛇の伝説と結び付く理由は想像しやすい。普段見慣れない長い体が、水面の近くで一部だけ見えれば、陸上の動物を基準にした名前を付けたくなる。オーストラリア博物館も、水面での目撃が海蛇の話に関係した可能性を述べている。[1]

Encounters with live Oarfish are rare.

生きたoarfishと出会うことはまれだ。

ただし、ある魚が伝説の説明候補になることと、あらゆる海蛇の正体がその魚だったことは違う。日時も場所もない古い物語から、種類を確定することはできない。海面を横切った影、浜に上がった死骸、研究者が計測した標本を、一続きの確実な記録として並べないようにしたい。

古い魚類資料に描かれたリュウグウノツカイ属の頭部と長いひれ
PDParkerとCowardの資料に描かれたR. glesneの頭部。長く伸びたひれや口の形が分かる歴史図版。日本の地震前兆を記録した絵ではない。 作者:Parker & Coward。パブリックドメイン。長辺1200px以下に縮小・JPEG変換。 / Wikimedia Commons

地震とのつながりにも、物語と観測の違いがある。地震学者の織原義明は2020年の解説で、1743年刊行の『諸国里人談』にある若狭の人魚の話を紹介した。人魚を殺したあと、30日後に大地震が起きたという内容だ。その姿がリュウグウノツカイを連想させるため、深海魚と地震を結ぶ物語として論じられてきたという。[4]

この古い人魚の話は、織原による文献紹介を通じて読んでいる。ここで『諸国里人談』の原本の姿を実物の魚と同定したり、伝説の成立年を確定したりはしていない。物語が存在することと、その中の災害経過が史実として確かめられたことも別だ。

昔から伝わる話なら、何か経験が蓄積しているのではないか。これは調べる価値のある問いだ。珍しい魚に気付いた人の観察を、最初から無意味とする必要もない。ただ、言い伝えを予測に使うには、印象に残る成功談以外の記録も同じように集める必要がある。

一匹が見つかった日だけを覚え、何も起きなかった一か月を忘れるなら、関連があるように見えやすい。逆に、大きな地震が起きたあとに全国の昔の魚のニュースを探せば、時期の近い話を拾えるかもしれない。それを避けるには、何を「当たった」と呼ぶかを、比較の前に決めておくことが大切だ。

03336件を比較した研究は、何を調べたのか

2019年、織原義明、鴨川仁、野田洋一、長尾年恭は、深海魚の出現と地震の関係を扱う論文を発表した。公開要旨によると、新聞、学術文献、博物館などの情報を集め、出現記録のデータベースを作った研究だ。すべての魚を常時見張った調査ではないが、報告後に地震が起きた割合を評価できる形に整えた。[3]

the spatiotemporal relationship between deep‐sea fish appearances and earthquakes was hardly found.

深海魚の出現と地震の、時間・場所の関係はほとんど見いだされなかった。

調査方法の詳しい説明は、研究者本人が翌年に書いた『なゐふる』の記事で読める。対象はリュウグウノツカイ、サケガシラなど八魚種だ。1928年11月26日から2011年3月11日までに、出現日と場所を確認できた報告を集めると336件になった。リュウグウノツカイ336匹を追跡した研究ではない。[4]

比較する地震には条件を付けた。魚の出現場所から半径100km以内、深さ100km以浅、マグニチュード6.0以上とし、余震を除いた。対象となる地震は221個だった。魚の出現から30日後までを、前兆だったかどうかを比較する期間にした。日時、範囲、規模の三つがあるので、何でも後から一致にできる比較ではない。

この条件に合ったのは一例だった。2007年6月19日、新潟県柏崎市の米山海岸沖でサケガシラが混獲され、その27日後に新潟県中越沖地震が起きた例だ。リュウグウノツカイの目撃が一例だけ大地震を予告した、という結果でもない。条件に合う組み合わせがあったことと、偶然を超えて予測できたことは区別される。

深海魚出現は防災に役立つ情報ではなかった

一例を336件で割り、「将来の的中率は約何%」と表示するのも適切ではない。これは過去の報告を集めた特定条件の比較で、今後出現する魚を同じ方法で追跡した予報試験ではないからだ。分かるのは、研究が置いた条件では、信頼して避難を判断できるような関係を支持しなかったことだ。

記録のない日にも注意が要る。新聞に載らなかったことは、海の中に魚がいなかったことを意味しない。論文要旨も、全域を継続して観察していないため、出現のすべてを含む記録ではないと認めている。その限界を示したうえで、報告があった後の地震を調べたのだ。記録の欠落を無視せず、それでも何を比較できるかを定めた点に、この調査の意味がある。[3]

調査方法や件数の説明は、2019年論文の公開要旨と、著者本人の2020年の解説に基づく。調査の対象は日本周辺の過去の出現報告であり、世界中の全個体や、あらゆる動物の感覚を否定した実験ではない。

04「そのあと揺れた」だけでは、前兆と決められない

地震のあとに魚のニュースを思い出すのは自然なことだ。ただ、二つの出来事が順番に起きたと分かっても、一方が他方を予告するとは限らない。たとえば地震が起きるまで待ち続け、場所も規模も限定しなければ、「魚を見たあとに地震があった」という形の話は作りやすくなる。これは実測した的中例ではなく、比較の条件が必要な理由だ。

時、場所、大きさの三つの要素

気象庁は、地震予知には時、場所、大きさを精度よく限定する必要があると説明する。「いつか日本のどこかで揺れる」では、行動を決める情報になりにくい。魚の話を読むときも、何日以内、どこから何km、どれほどの地震を予測していたのかを確かめると、主張の意味がはっきりする。[5]

同じ基準で、当たった話だけでなく外れた話を見る必要もある。魚が出ても対象の地震が起きなかった例はあるか。地震が起きたのに魚の報告がなかった例はどうか。写真が転載された日と、魚が実際に見つかった日は同じか。元の発見日を確かめる作業は、目撃情報を読むときにも欠かせない。

比較の範囲を後から広げると、別の問いになる。近くで起きなかったので遠い地震を選ぶ、一か月以内になかったので翌年の地震を結ぶ、といった変更だ。検討条件を変える研究自体はできるが、その結果を元の予測が当たった証拠にはできない。ニュースに「関連か」と書かれていたら、二つの日付の近さだけでなく、地図上の距離と、最初の主張がどれほど具体的だったかも読みたい。

また、人間が魚を見つける機会自体にも偏りがある。海を常時同じ人数で観察しているわけではない。魚津水族館の報告にも、同館に運ばれた個体と、漁業者や市民から写真・映像だけが寄せられた個体がある。報告数をそのまま海中の個体数と考えることはできない。[2]

動物の感覚が人間と違うという指摘も、それだけでは予知の証拠にならない。USGSは、動物が人より鋭敏に最初の小さなP波を感じる場合と、地震の何日も前から予測することを分けている。P波は地震が発生してから伝わる波だ。人が強い揺れに気付く前の反応を、地震そのものが起きる前の予言と混ぜないようにしたい。[6]

consistent and reliable behavior prior to seismic events

地震に先立つ、一貫して信頼できる行動。

「魚には分かるのかもしれない」という可能性は、研究の入り口にはなる。けれど、予告の役に立つと判断するには、繰り返し同じ条件で成り立つかが問題になる。鋭い感覚を持つこと、何かに反応すること、大地震の日時や場所を絞れることは、それぞれ別に調べる段階だ。

05なぜ浜に現れる? 原因不明と地震説を混ぜない

前兆として使えないなら、なぜ深海の魚が岸へ来るのだろう。ここには、まだ答えがそろっていない。2013年に南カリフォルニアで回収された個体を調べたNOAAのRuss Vetterは、海流で沖合の水が岸近くへ運ばれた可能性を、考え始めるための仮説として挙げた。説明の中で、証拠がないことを本人が強調している。[7]

So without any evidence, and I’ll stress that

証拠はない、その点は強調しておく、という前置き。

これは「海流が原因と解明された」という発表ではない。弱った魚が水に運ばれたのか、どこで死んだのか、岸に着くまで何が起きたかは、別々の検証が必要だ。海流説を紹介するなら仮説として紹介し、地震説に置き換わる万能の答えにはしない。

2024年8月のラホヤでも、回収された新鮮な雄をScripps、カリフォルニア州立大学フラートン校、NOAAの研究者らが解剖した。全長3.735m、体重33.7kgと計測された個体だ。しかし報告は、なぜ死んだか、なぜそこで漂着したかは分からないと述べている。傷、病気、方向感覚の異常などは一般的な候補で、この雄に確定した死因ではない。[8]

it is not clear why the fish died.

なぜ魚が死んだのかは明らかではない。

ニュージーランドで記録されたリュウグウノツカイ属の頭と銀色の体
CC BY 4.0ニュージーランド・Aramoana Spitで撮影されたR. glesneとして公開されている写真。ラホヤの解剖個体や日本の地震前の写真ではない。写真だけから漂着原因を確定しない。 作者:john_barkla。CC BY 4.0。長辺1200px以下に縮小・JPEG変換。 / Wikimedia Commons

日本の記録にも、観察できた範囲が丁寧に書かれている。魚津水族館の2022年度報告は、富山県沿岸の六個体を記載する。二個体は同館に搬入して計測し、四個体は写真や映像などの情報による。網の中で生きていた魚と、浜で胴体だけ見つかった魚では、分かることの量が違う。[2]

このうち胴体だけの個体については、海で死んでから打ち上がったのか、打ち上がってから死んだのかも不明とされる。年報には、観察と推測が分けて記録されている。こうした空欄を残せることが、資料の強さでもある。原因がまだ分からないところへ、地震という答えを入れれば説明が完成するわけではない。

同報告は、富山県沿岸での記録が冬に多い傾向も示す。ただし、これは当該海域の確認記録に見られる傾向だ。日本中の出現を説明する一つの原因が見つかったわけでも、その年の地震と結び付いたわけでもない。季節、場所、漁の方法といった条件も、次の観察で比べる手がかりになる。

06深海映像と標本は、魚の暮らしを少しずつ明らかにする

「珍しい」は、これまで誰にも知られていなかったという意味ではない。海岸の写真だけを見ていると、リュウグウノツカイの仲間はいつも横たわった状態の魚に見える。だが生きている姿を観察すれば、違う問いが出てくる。どんな向きで止まり、どのひれを動かし、どの深さにいるのだろう。

they’re actually hanging in the water column vertically

実際には、水中で縦向きになっている。

Vetterはインタビューで、映像では縦向きでとどまり、長い背びれで姿勢を保つ様子に注目した。これは泳ぎ方の説明で、すべての時間を必ずその姿勢で過ごすという主張ではない。展示で再現された形と、海中で記録された動作も区別して読みたい。[7]

スミソニアンの展示室につるされた縦向きのoarfishの模型
CC BY-SA 2.0スミソニアン国立自然史博物館の展示模型。縦向きの姿を表す展示であり、生きた魚を海中で撮影した写真ではない。 作者:Tim Evanson。CC BY-SA 2.0。長辺1200px以下に縮小・JPEG変換。 / Wikimedia Commons

Benfieldらの2013年論文の要旨は、メキシコ湾北部でROV、つまり遠隔操作の無人潜水機が行った五回の観察を報告している。2008年から2011年に、健康そうなR. glesneが表層から中深層にかけて記録され、463〜492mという深い観察記録も含まれた。ここでの数値は、記録された個体の深度であって、全個体の生息範囲の下限と上限ではない。[9]

five observations of apparently healthy oarfish

見たところ健康なoarfishの五回の観察。

生息深度にも資料差がある。Australian Museumは20〜200mと推定的に説明するが、2013年論文の要旨には463〜492mでの観察がある。資料の対象と、推定範囲か実際の観察深度かをそろえず、一つの数字を仲間全体の限界にはしない。岸で見つかった深さも、普段暮らす深さをそのまま示すわけではない。[1][9]
R. glesneの長い背骨と背びれの構造を示した歴史的骨格図
PDParkerとCowardのR. glesneの骨格図。細長い姿の内側にも、比較できる骨格がある。深海の泳ぎを撮った映像ではなく、体の構造を読む図版として掲載する。 作者:Parker & Coward。パブリックドメイン。長辺1200px以下に縮小・JPEG変換。 / Wikimedia Commons

生きた魚の映像は行動を記録する。標本は骨格やえら、組織を比較できる。どちらか一方だけでは分からないこともある。魚津水族館の報告が示すように、尾やひれが失われていれば、種を区別するための特徴も欠ける。短く見える個体を見て、小型種や未知の魚とすぐ決めることも避けたい。[2]

ラホヤでの2024年の解剖では、ゲノム、食べ物、えらの働き、汚染物質などを調べるための試料が採られ、魚は収蔵標本になった。これらは採取時点で予定された研究で、すべての成果がその場で出たわけではない。研究の計画と、その後に発表された結果は分けて読む必要がある。[8]

珍しい一匹を残すことは、後から別の方法で調べる余地を残すことでもある。目撃した日の怖さより、場所、日時、写真、体の保存状態が長く役に立つことがある。怪物のように見える外見が解けても、深海でどう暮らすかという問いは残っている。

07前兆説の判定と、目撃情報を受け取ったときの確かめ方

説根拠評価
リュウグウノツカイの仲間は実在する計測した個体、博物館の標本、海中での観察記録がある。[2][9]確認できる
出現すれば近く大地震が起きる336件の出現報告を比較した研究は、防災に使える関係を支持しなかった。[3][4]支持されない
岸に現れる原因はすべて海流だ海流は仮説の一つ。解剖しても原因が分からない例がある。[7][8]一括では確定できない
原因不明だから地震の影響だ分からないこと自体は、特定の原因を選ぶ証拠にならない。根拠にならない

魚の写真を見たら、地震が来ると考えるべき?

今回確認した研究からは、その写真を地震の予告として扱う理由は見つからない。元の発見日、撮影地、情報を発表した機関を先に確かめたい。昨日投稿された写真でも、魚が見つかったのは何年も前かもしれない。魚のニュースをきっかけに普段の備えを点検することと、特定の日の地震が予告されたと信じることは別だ。[5]

生きた魚なら、地震との関係はもっと強くなる?

生きているかどうかは、生態や捕獲時の状態を考えるうえでは大切な情報だ。ただ、それだけで将来の地震との関連は決まらない。実際に魚津の記録には、生きた状態で網に入り、放流された個体も含まれる。どの出現でも、予知を主張するなら同じように日時、場所、規模を定めた比較が必要になる。[2]

浜辺の長いoarfishを囲む人々を写した歴史写真
PDニューポートの海岸のoarfish。資料にはRegalecus russelliと記されている。人々と写る魚の大きさは印象的だが、この写真は日本の大地震を予測した記録ではない。 作者:C. P. Reinsberg。パブリックドメイン。長辺1200px以下に縮小・JPEG変換。 / Wikimedia Commons

見つけた記録は、研究の役に立たないの?

役に立つ。水族館の報告そのものが、漁業者や一般の人から寄せられた情報を生かしている。ただ、役立つ先が地震予知と決まっているわけではない。発見日時と場所、写真や動画の原データ、生きていたか、どのように見つかったかを残せば、魚の分布や体の特徴を比較する資料になる。[2]

現物がある場合は、近くの水族館や自然史を扱う博物館へ情報を伝え、標本が必要かを相談できる。撮影や回収のために危険な波打ち際へ入る必要はない。Scrippsの報告も、現地ではまずライフガードに知らせ、保護区では勝手に生物を持ち出さないよう案内している。地域の施設と現場の決まりに従うのがよい。[8]

リュウグウノツカイは、不思議な姿のままで研究対象になる。「地震を知らせる魚」という説明が支持されなくても、その価値はなくならない。浜に現れた一匹から確かめられるのは何か。まだ分からないのは何か。その境目を残して記録するほうが、次に出会う一匹をよく理解できる。

出典・参考資料

  1. Mark McGrouther「Oarfish」Australian Museum。2021年更新。形態・体長と海蛇伝説の解説。分類と生息深度は他の資料とも比較した。 https://australian.museum/learn/animals/fishes/oarfish-regalecus-glesne/(閲覧 2026-10-15)↩
  2. 木村知晴・草間啓・稲村修「2022年度 富山湾におけるリュウグウノツカイの記録」魚津水族博物館年報33号、32–36頁、2024年2月。PDFの36–40ページ。 https://www.uozu-aquarium.jp/research/wp-content/uploads/sites/2/np33.pdf(閲覧 2026-10-15)↩
  3. Yoshiaki Orihara, Masashi Kamogawa, Yoichi Noda, Toshiyasu Nagao「Is Japanese Folklore Concerning Deep-Sea Fish Appearance a Real Precursor of Earthquakes?」BSSA 109(4), 1556–1562。DOI:10.1785/0120190014。公開要旨をCiNii Researchで確認。 https://cir.nii.ac.jp/crid/1363951794489527168(閲覧 2026-10-15)↩
  4. 織原義明「『深海魚出現は地震の前兆』は本当か?」日本地震学会広報紙『なゐふる』121号、6–7頁、2020年5月。研究者本人による調査方法・結果の解説。 https://www.zisin.jp/publications/pdf/nf-vol121.pdf(閲覧 2026-10-15)↩
  5. 気象庁「地震予知について」。予知に必要な時・場所・大きさ、動植物の異常行動と予測の問題を解説。 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq24.html(閲覧 2026-10-15)↩
  6. U.S. Geological Survey「Animals & Earthquake Prediction」。P波への反応と、地震発生前の予測を区別する解説。 https://www.usgs.gov/programs/earthquake-hazards/animals-earthquake-prediction(閲覧 2026-10-15)↩
  7. NOAA Fisheries「The Giant Oarfish」2013年10月24日。Russ Vetterへのインタビューと公開トランスクリプト。 https://www.fisheries.noaa.gov/podcast/giant-oarfish(閲覧 2026-10-15)↩
  8. Scripps Institution of Oceanography「Fish Experts Study Rare Deep-Sea Oarfish in the Lab」2024年8月22日。ラホヤで回収された雄の解剖と試料保存の報告。 https://scripps.ucsd.edu/news/fish-experts-study-rare-deep-sea-oarfish-lab(閲覧 2026-10-15)↩
  9. M. C. Benfieldほか「Five in situ observations of live oarfish Regalecus glesne (Regalecidae) by remotely operated vehicles in the oceanic waters of the northern Gulf of Mexico」Journal of Fish Biology 83(1), 28–38。DOI:10.1111/jfb.12144。PubMed公開要旨を確認。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23808690/(閲覧 2026-10-15)↩

この記事は、公開されている資料をもとに編集部が書いています。引用した文章と画像は、出典と引用元へのリンクを添えています。英語の資料の訳は当サイトによるものです。誤りに気づいた方は、目撃情報フォームからお知らせください。